第82章 華々しく帰国

「相手がどういう人間かも、何を企んでいたのかも、私は最初から分かっていた。自分の手で育て上げた薔薇を、よその罠に落とすわけがないだろう」

「私は手段を選ばなかった。年上という立場も使って、お前の祖母に圧力をかけ、私のもとへ嫁がせた」

「最初のうちは、私たちは幸せだった。だが、お前の父親が生まれてからだ。あの男がまた現れた。一週間もしないうちに、お前の祖母は姿を消した。私が再び見つけたときには、もう三か月も経っていて……あの子は、冷たい亡骸になっていた」

岩崎爺さんは、ひどく穏やかな口調のまま昔話を語った。

けれど杏璃は、胸の奥をぎゅっと掴まれるような痛みに襲われた。

嫌な予感が、す...

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