第88章 ママはどうしてまた友里絵おばさんにきつく当たるのか

奈央はまだ幼くて、いま胸の奥を満たしているものを、うまく言葉にできなかった。

杏璃が代わりに言ってやる。

「文哉がさっき言ってたでしょ。……そのせいで、私は文哉のママなんだから本当は文哉のそばにいるべきだって思ったんだよね。あなたが私を春の遠足に誘わなかったら、私は文哉と一緒に参加してたはずだって」

「つまり、文哉から“ママ”を奪っちゃった気がしてる」

奈央の目がぱっと明るくなる。

「おばさん、すごい……! 今の、まさに奈央の気持ち!」

杏璃はくすりと笑って、首を横に振った。

「でも、そんなふうに自分を責めなくていいよ。奈央じゃなくても、文哉はたぶん私を誘わない」

「さっきあ...

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