第6章

「江里花、暑くないの?」

 すぐ隣から佐々木の声がした。

 クルーザーのレストランには陽光が降り注ぎ、床から天井まである大きな窓からは潮風が吹き込んでいる。それなのに、私はシルクのハイネックブラウスのボタンを一番上まで留め、額にはうっすらと汗をにじませていた。

「大丈夫……」

 私は愛想笑いを浮かべる。

 暑くないわけがない。

 それでも脱ぐわけにはいかなかった。ハイネックに隠された首筋から鎖骨にかけて、昨夜つけられた無数の赤い飛沫と歯型が散らばっているのだ。両脚は未だに小刻みに震え、秘所の奥には容赦なく貫かれた鈍い痛みが残っている。少し身じろぎするだけで、昨晩注ぎ込まれた白濁が...

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