第5章

 一週間後、ロマーノ家はシカゴにある五つ星ホテルのペントハウス階を貸し切り、恒例のチャリティーパーティーを開催した。

 表向きは上流階級の社交場である。だがその実態は、シカゴの裏社会における勢力図を塗り替えるための、ハイリスクな交渉の場だった。エリートたちとマフィアのボスたちが入り乱れ、会場には声なき緊張感が立ち込めている。

 経済的に首の皮一枚で繋がっているマッテオとイザベラは、数日前に隠れ家で互いの喉を掻き切らんばかりの喧嘩をしたにもかかわらず、体裁を取り繕って出席するほかなかった。

 私の隣でオーダーメイドのタキシードを着込むマッテオは、襟元までびっしょりと汗をかいていた。私が彼...

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