第11話

和也の言葉を聞いて、今日の離婚はもう無理なのだとはっきり悟った。

私はため息をつき、妥協した。

「実家に戻りましょう」

和也の祖母である藤原杏沙(ふじはら あずさ)は私によくしてくれていたから、こんな時に見て見ぬふりなどできるはずがなかった。

運転手は私たちのやり取りを聞き、すぐさま車の向きを変えた。

到着が近づいた頃、和也が冷たい声で口を開いた。

「おばあちゃんの前で、離婚の話は出さないでほしい」

私は無言のまま、答えなかった。

この男とまだ夫婦を続けなければならないのかと思うと、無性に苛立ちが込み上げてくる。

車が静かに停まると、和也は自ら私の側のドアを開け、甘い声を出...

ログインして続きを読む