第15話

悟は思い切りアクセルを踏み込み、和也の車をあっという間に引き離した。

見慣れたマイバッハが視界から消えていくのを確認し、私は密かに安堵の息を漏らす。

だが、悟の車が自宅の前に停まった瞬間――暗がりの中に浮かび上がる見覚えのあるシルエットに、心臓が嫌な音を立てた。

まさか和也が私たちより先回りしているなんて、思いもしなかった。驚きと戸惑い、そして微かな焦燥感が胸の奥に広がる。

和也がこちらへ歩み寄ってくる。目の前まで来て、ようやくその顔に張り付いた異様なまでの険しさに気がついた。

彼は氷のように冷たい視線を私に突き刺す。

「どういうつもりだ? わざと俺を撒いたのか」

和也の剣呑な...

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