第30話

【今夜、空いてる? 一緒に食事でもどうかな】

蓮からの誘いを見て、少し考えてから承諾することにした。

画面を素早くタップし、返信を送る。

【空いてますよ。お礼も兼ねて、今夜は私にご馳走させてください】

藤原グループとの契約がまとまったのは、蓮の尽力があってこそだ。食事の一度くらいご馳走して当然だろう。

すぐに夜の待ち合わせ時間を決めた。

あまり遠出するのも億劫なので、近くのレストランを予約する。

店に着くと、蓮はすでに席で待っていた。

私に気づくなり、彼は立ち上がって軽く手を上げる。

「ユリ、こっちだ」

そう言って、彼はさりげなく私のために椅子を引いてくれた。

そのスマ...

ログインして続きを読む