第42話

寧々は段ボール箱を抱え、悔しそうに地団駄を踏んだ。

「いい気にならないで。和也さんが黙ってないんだから」

彼女は鼻をすする。その姿はいかにも可哀想に見えるが、あいにくここに和也はいない。

私は少しも怯むことなく、彼女の目を真っ直ぐに見据えて笑った。

「いつでもどうぞ」

寧々が立ち去ってすぐ、私は晴美にオフィスへ呼ばれた。

彼女は眉間にしわを寄せ、全身から憂鬱なオーラを漂わせている。

オフィスにこもったタバコの匂いに、思わずくしゃみが出た。晴美がこちらを向く。その瞳には深い憂慮が満ちていた。

胸がざわつき、私は足早に近づいた。

「何かあったんですか?」

「寧々が担当していた...

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