第48話

晴美が頷くのを見て、私はほっと胸をなでおろした。

オフィスのドアを押し開けると、寧々が慌てて姿勢を正し、バツの悪そうな顔をした。

彼女は鼻の頭を掻き、顎をしゃくって高圧的に問い詰めてきた。

「あんた、本当にユリと知り合いなの?」

その一言で彼女の目的は透けて見えた。私は冷ややかな視線を向け、問い返す。

「人の話を盗み聞きする趣味があったなんて、知らなかったわ」

寧々は小さな顔をくしゃくしゃに歪めた。いつもなら、この表情を見せれば和也が慰めてくれるのだろうが、あいにく今回は彼がいない。

彼女はしどろもどろになりながら言い訳を並べた。

「た、通りかかっただけよ! だいたい、やまし...

ログインして続きを読む