第58章

二人はソファで寝ることもなかった。

情事の後、山崎川は彼女を腕に抱き、離したくなかった。

なぜか分からないが、林田澄子と一緒にいると、彼の睡眠の質まで良くなるような気がした。

一人の時は、どこか孤独な枕の寂しさを感じていた。

眠りにつく直前、林田澄子はうとうとしながら思い出した。

「コンドーム、つけてなかったわね……」

山崎川も満足感に浸り、疲れていた。小さな声で「大丈夫……」と答えた。

「妊娠したらどうするの……」

「しない」

彼は彼女の背中を優しく撫でた。

あまりにも眠くて、「妊娠したら産めばいい」という言葉は口に出せないまま、彼は眠りに落ちた。

林田澄子は暗闇の中...

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