第104章

ブールランが兄さんの元にいて四年目のことだ。

彼女は兄さんの書斎に忍び込み、ある農場の買収書類を盗み見た。兄さんが購入を決める前に、自分の実家に情報を流して安値で買い叩かせようとしたのだ。

発覚すると、ブールランは父親の指示だと言い張り、父親の方はブールランの独断だと言い逃れをした。

真相はどうあれ、この一件で両家の関係は以前より冷え込んでしまった。

幸い、重要な買収資料は無事だった。なくなったのはどうでもいい物ばかりで、兄さんは結局ブールランを許したが、その心には決して消えないしこりが残った。

手元の偽造書類を眺めながら、当時のことを鮮明に思い出した。

もし相手が本当にブー...

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