第105章

窺うような視線が消えた。

気のせいか? ただの通行人か、それとも……。

私は足元のブールランを見下ろし、十数秒の動画を撮ってファミリーのグループチャットに送信すると、手早く片付けることにした。

「なぜ新港市へ来た?」

私は尋ねた。

「こ、ここではチャンスが多いのよ!」

ブールランは性急に弁解した。少しでも口が遅れれば、二度と喋る機会が与えられないと恐れているようだ。

「サン・カルロの人間はみんな新港市に注目してるわ! 第二のサン・カルロになるって! 私だけじゃない、みんな来たがってるの!」

「ほう?」

私は語尾を上げた。いつからこの街はそんな注目株になったのか。

「誰がそ...

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