第107章

混乱地帯は、西の行政区と東の共治区に挟まれ、地形は細長く、川沿いにその姿を変えながら伸びている。

行政区のような清潔さもなければ、共治区のような賑わいもない。そこはまるでドブ川のような、この港湾都市で最も陰惨な掃き溜めだった。

私は『クイーン・ホテル』を出発し、南へ二時間ほど車を走らせて新河の上流へと辿り着いた。ここが混乱地帯の北側の入り口にあたる。

数キロにも及ぶ鉄条網は赤錆に覆われていた。地面から伸びた細長い雑草が網に絡みつき、枯れてはまた絡みつきを繰り返すうちに、長い年月をかけてフェンスに「毛皮」を着せたようだ。

塀の内外には雑多な広告が無数に貼られている。その中にある巨大な牛...

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