第108章

「あのクソ野郎、すっぽかしやがって!」

キャレンは怒り心頭だ。

「マテオを見つけ出して、月狼団ごと締め上げてやる!」

普段なら、キャレンもここまで腹を立てることはない。だが今日は、ルカを見返してやろうと意気込んでいたから尚更なのだろう。

当のルカは、キャレンを嘲笑こそしなかったが、その口元に浮かんだ微かな笑みが、彼女の神経を逆撫でしたようだ。

ルカが私を見る。

「俺と来るか?」

私は彼には答えず、キャレンを見た。

キャレンは自信たっぷりに胸を叩いてみせる。

「混乱地帯のことなら私だって詳しいわ。マテオがいなくたって案内できる!」

私は頷いた。

「分かった。月狼団の縄張り...

ログインして続きを読む