第109章

寄生虫の感染症など治療は造作もないことだが、私は即答を避けた。

沈黙を守る私を見て、マテオは懇願するように頭を垂れる。

「どうか、この子を救ってください。私の命を捧げても構いません」

私は鼻を鳴らした。

「あなたの命に、それほどの価値があるの?」

「私には、この少しばかり頑丈な体と、人よりマシな腕力しかありません。それ以外は何も……」

マテオは自嘲気味に笑い、力なく言葉を濁した。

私はゆっくりと視線を巡らせた。月狼団の構成員たち、そして背後に聳える月狼堡。そのすべてを値踏みする。

マテオが焦りを見せる。

「月狼団は私個人のものではありません。月狼堡もそうです。私個人の財産な...

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