第12章

ジョニスが私の軟膏に興味を持つことは、最初から分かっていた。

「私が商品を卸すわ。一缶6800ドル。あなたが幾らで売ろうと干渉はしない」

私はビジネスライクに告げた。

ジョニスは首を振った。

「生産量が少なすぎる。工場建設に投資しよう。君は技術で出資すればいい」

私は軽く溜息をついた。

「私も増産したいのは山々だけど、原材料の深海植物エキスや雪山の動物性油脂は極めて入手困難なの。この軟膏は軍や政界の要人、各地のマフィアのファミリーや武装勢力へ優先的に回すべきだと思うわ」

ジョニスの父と祖父がある国で重権を握っており、母方の一族も大富豪であることは知っている。

私はジョニスを通...

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