第140章

「なんだお前か」

 ロジャーは嫌悪感を露わにした。

「頭でもおかしいのか? 何か病気か? 脳みその病気か、それとも不治の病か?」

「あんたの脳みそこそ病気よ! 不治の病はそっちでしょう!」とイシタ。

 彼女はラルビ家と浅からぬ関係にある。以前、私とロジャーで彼女の姪の心臓矯正手術を行ったことがあるのだが、この二人はまるで天敵のようで、顔を合わせるたびに大喧嘩を始めるのだ。

 しかし今日、イシタの怒りに満ちた鋭い視線は、私に向けられていた。

「イザベラ・ソレリ。あなたが『神の手』の医術を自分以下だと思っているって聞いたわよ?」

 私はロジャーをちらりと見た。ロジャーは視線を逸らし...

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