第16章

翌朝、私は約束の五分前に裁判所へ到着した。

三人の兄が揃ってついてくると言ったが、私はそれを止めた。たかが離婚届を受理してもらうだけのこと、大勢の時間を無駄にする必要はない。

結局、ついてきたのはマルクス兄さんだけだった。兄さんは今日を吉日だと信じて疑わず、やけにフォーマルなスーツに身を包んでいた。そればかりか、アドとコールに命じて長大なレッドカーペットと十数門のクラッカー砲、さらにフラワーシャワー用の大砲まで用意させ、私の離婚成立を盛大に祝うつもりでいた。

だが裁判所の正門に着いてみると、今日の庁舎は妙にひっそりとしていた。

門柱の脇には「臨時休業」の張り紙がある。守衛所の警備員に...

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