第167章

ソウマイが入ってきた。

今日の彼女は、いつものような派手で目を引く装いではなく、淡い色合いのシンプルな服を身に纏っていた。長い髪はおとなしく肩に下ろされ、顔にはメイクの形跡がない。その佇まいは、どこまでも穏やかで素直なものだった。

不満を訴えるでもなく、弱さを見せるでもなく、同情を引こうとわざとやつれて見せるわけでもない。ただ、心からの納得を経た者だけが持つ、清々しい解放感だけがそこにあった。

私は胸の内に湧き上がる驚きを押し殺し、先陣を切って口を開いた。

「重要な話って、何?」

「ううん、適当に言っただけ。ただ、どうしてもあなたに会いたくて」

そう釈明したかと思うと、彼女は早口...

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