第170章

「シリク!」

 血だまりの中に倒れ込むシリクを見て、レオナルドが突如として彼にすがりつき、悲痛な声で叫んだ。

「父さん!」

 心配そうな表情を作ってはいるが、その瞳の奥には明らかな打算が透けて見えた。

 おそらく、この機に乗じてシリクに自らの孝心と誠意をアピールするつもりなのだろう。何しろ、最も有力な競争相手であるルカとデイビッドが消えれば、彼が最も重用される隠し子となるのだから。

 だが悲しいかな、彼はシリクの利己性をひどく見くびっていた。

 ルカの銃口が依然として自分に向けられていることに気づいたシリクは、なんと躊躇うことなくレオナルドの襟首を掴み、無理やり自分の盾にしたのだ...

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