第21章

三日後、北城裁判所。

私は車の中で、三度目の時計確認をしていた。裁判所の外に車を停めてから、もう随分経つ。

「十時十分。あのクソ野郎、すっぽかす気か?」

アドが通りの向こうを注視して声を上げた。

「来ました!」

ようやくルカが現れた。私は車を降り、隠しきれない苛立ちをぶつける。

「遅刻よ」

「悪かった」

ルカの声は硬く、かつてないほど掠れていた。

私は思わず驚きの表情を浮かべた。普段のルカは牡牛のように頑丈なのに、まさか病気?

アルフが焦燥しきった様子で弁解する。

「奥様、旦那様はわざと遅れたわけではございません。胃痙攣を起こして一日入院されていたのです。昨夜は高熱も出...

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