第67章

マルクス兄さんがルカを懲らしめるのを諦めさせるのに、三十分以上も費やしてしまった。

マルクス兄さんは不満げに私を見つめた。

「あんな奴をあっさり許すなんてな。ベラ、お前は人が好すぎるぞ」

私は自分に水を注ぎながら、マルクス兄さんが「聞き分けの良い妹」「一族で一番優しい天使」などとブツブツ呟くのを聞き流した。そして首を横に振る。

「もう復讐は済ませたわ」

「一突きしただけだろう。傷口なんて指半分にも満たないし、急所も外してる。せいぜい一ヶ月痛む程度で治っちまう。だがお前は奴のそばで三年間も冷遇されたんだぞ!」

マルクス兄さんは唇を尖らせた。

「そんなのが復讐と言えるかよ」

まだ...

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