第75章

私は首を傾げてジョニスを見た。

距離はあまりに近い。白い吐息が空気に溶けていく中、それに気づいた彼は反射的に息を止めた。その不器用さは、情事の達人とはとても思えない。

思わず、笑みがこぼれた。

レストランの明かりが私たちの横顔を照らし出す。ジョニスは呆気に取られたように私を見つめていた。

「別々に行きましょう。方向が違うもの」

その一言で、ジョニスの瞳から光が一瞬にして消え失せた。

一瞬の躊躇いの後、私は穏やかな声で彼に別れを告げた。その間、ルカに言葉をかけることも、余計な視線を向けることさえしなかった。

窓の外、後退していく街並みを眺めながら物...

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