第90章

「お前らの主人は、客の招き方も知らんのか?」

 マルクス兄さんは不機嫌そうに顔を曇らせ、相手を睨みつけた。

 兄さんがいる限り、誰であろうと私を無理やり連れ去ることなどさせないだろう。

 男は動じることなく、鎮定な口調で答えた。

「マルクス・ソレリ様もご同行いただいて構いません。もちろん、護衛の方々がついて来られても、我々は気にしませんよ」

 私は眉を挑発的に上げた。「気にしない」とは、ただの丁重な礼儀か、それともこちらの武力など眼中にないということか?

 マルクス兄さんが私を見る。断るか、受けるか、その判断を委ねる目だ。

 私は心の中で、我々と相手の人数、そして武器の差を計算...

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