第92章

テレビ越しに響くルカの冷ややかな声に、頭がクラクラする。

マルクス兄さんも状況が飲み込めない様子で、不思議そうに尋ねた。

「ルカの野郎、なんでエミアにあんな冷たいんだ?」

私が答える間もなく、兄さんは何かを悟ったような顔になり、ボソリと呟く。

「ああ、クソッ、そういうことか。誘拐されてレイプされかけたトラウマってやつか?」

私「……」

エミアは未遂で済んだでしょうけど、私は既遂なのよ。

マルクス兄さんは「チッ」と舌打ちし、呆れたように首を振った。

「エミアの自業自得だな。あれだけルカが一心同体だったってのに……」

兄さんは慌てて口を噤み、私の顔色を窺ってから笑って誤魔化した...

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