第96章

惊きはあったが、やはりという思いもあった。

ルカがこのネックレスに見覚えがあるということは、彼を救ったのは本当に私なのかもしれない。私自身の記憶は曖昧だけれど。

「記憶違いじゃないかしら」

私はルカに告げた。

「これは私のネックレスよ。でも、あなたを助けた覚えはないわ」

ルカは知っているのだ。傷を縫合した恩人が、マスター・デヴァンレンの考案した特殊な縫合術を用いたことを。だから認めるわけにはいかない。

私が「神の手」であること、それは私にとって最大の秘密なのだから!

「認めないのか?」

ルカは眉を顰めた。

「このネックレスが俺にとってどれほどの意味を持つか、分かっているのか...

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