第5章

 結婚式は小規模なものになるはずだった。招待客は三十人、身内のみ、マスコミは一切なし。ソフィアに肩書を与え、よからぬ噂を沈静化させるための、単なる形式的な儀式に過ぎないはずだった。

 会場に入ったニコは、招待した数の三倍はいるであろう人混みを見て取った。二つの隅にはカメラクルーが陣取っている。入り口付近では、全国規模の大手メディアで見かける女性記者がマイクのテストを行っていた。

 彼はソフィアを小脇に引き寄せた。

「この連中は一体なんだ?」

 ソフィアは目を丸くしてみせた。「私が呼んだの。あなた、いつも言ってたじゃない。マラにはちゃんとした結婚式をしてあげる借りがあるって……だから、...

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