第6章

 ニコはソフィアに向き直った。

「マラの話だ。君がマスコミに流したな」

 それは問いかけなどではなかった。

 ソフィアの表情が、まるで合図でもあったかのように崩れた。「どうして漏れたのか分からないわ……誰かがきっと……私、そんなこと絶対に……」

 カミラが割って入った。「誰が言ったかなんて重要ではないでしょう? 全部事実なんだから。敵の手に落ちた女なんて――何のために囲っているの? 飾り物にするつもり?」

 彼女は背筋を伸ばし、顎を高く上げた。

「まだ迷っているのなら、私が決めてあげる。ソフィアこそがあなたの妻よ。議論の余地なんてないわ」

 ニコは母の顔を見た。頑固で、確信に満...

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