第101章 二人の秘密基地

サラ POV

仕事を終えた私は、一度帰宅して小さなスーツケースをまとめると、隆から受け取った指示通りに車を走らせ、ある静かな駐車場へと向かった。ほどなくして、私は春のポルシェの助手席に収まり、車は郊外へと滑り出した。

「私たちの秘密基地へ行くの?」

春は微笑んで答える。

「『青村と守の基地』と呼ぶべきだと思うがね」

「お願いだから、ニューヨークのことはもう蒸し返さないで。なんだか恥ずかしくなってくるわ。あの晩は、本当に飲みすぎちゃっただけなんだから」

「君があの晩酔っ払っていてくれたおかげで、俺たちは出会えたんだ。そのことには感謝している。だがこれだけは言っておく。今後、一人で飲...

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