第211章 暴動の嵐を抜ける

上村サラ視点

ナイロビ・シティ・マーケットを散策していた時のことだ。首にかけていたネックレスをひったくられ、犯人の背中を追って薄暗い携帯アクセサリーショップに飛び込んだところで――私は意識を失ってしまった。

どれくらいの時間が経ったのだろう。ようやく目が覚めると、私は簡素なベッドの上に寝かされていた。

頭が少しふらつき、視界がぼやけている。目をこすりながらゆっくりと身を起こすと、そこがまだあの店の中だと気づいた。ただ、カウンターの裏側だ。店に入った時には気づかなかったが、こんなところに簡易的な折り畳みベッドがあったらしい。

近くの小さな机では、ドレッドヘアのアフリカ人の男が、...

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