第217章 真の標的は私だった

上村サラPOV

 荒野の只中。春は全裸で地面に転がるウェンデルを尋問している。だがウェンデルは、私たちが交渉できる立場にないと思っているようだ。私たちが生きてアフリカを出られる機会など、万に一つもないと考えているからだ。

「どういう意味だ? 追っ手の数は」

 春の声が一段低くなる。私に聞かせたくないトーンだ。

 私は居ても立っても居られず、車の陰から歩み出ると、二人に数歩近づいた。

 ウェンデルが黙り込むと、春は拳を振るい、その顔面を容赦なく殴りつけた。ウェンデルの惨めな悲鳴が上がる。

「全部だ……東アフリカの要員、全員だ」

 再び沈黙が落ちた。突如、春が笑う。

「俺を殺すに...

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