第220章 悪徳店が幸運の店になる

上村サラ 視点

店内に足を踏み入れた途端、私たちは理不尽な要求を突きつけられた。試着した服は必ず購入すること、しかもその価格は一着一〇〇〇ドルだという。だが、それはあくまで序の口だった。奴らの手口には続きがある。パスポートを「人質」としてここに置いていけ、金はホテルに取りに戻ればいい――そう要求してきたのだ。

私はようやく理解した。これが、この手のぼったくり店が金を巻き上げる手口なのだと。

私たちが呆気にとられて立ち尽くしている様子を見て、店主は私たちが完全に「カモ」になったと確信したようだ。彼は目を細め、パスポートを受け取ろうと、ぬらりとした手を伸ばしてくる。

刹那、春がその太った...

ログインして続きを読む