第236章 銃撃戦が本当に起きた時

上村サラ POV

塩湖付近の乾燥地帯を通り抜けようとした時のことだ。上空を飛ぶドローンの姿が目に飛び込んできた。

「しまった、CIAに見つかったな」

春は瞬時に状況を悟った。

ハンドルを握るムカリの両腕がビクッと跳ね、Toyotaの車体が僅かに揺れる。旅の始まりから今この瞬間に至るまで、20歳にも満たないこのアフリカの青年は、初めて真の恐怖というものを味わっていた。

「なんでこんなに早いんだ? ありえないよ……」

ムカリの声は小刻みに震えている。

春はそれに答えることなく、素早く窓を開けて腰から拳銃を抜き放つ。ムカリは急ブレーキを踏んで車を停めた。

ドローンは車の上空を旋回し...

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