第237章 独特なキャンプ

【上村サラ 視点】

夜の闇が、ゆっくりと大地全体を包み込み始めていた。

激しい銃撃戦をくぐり抜けたばかりで、車内の空気は重く沈みきっている。

後部座席で私を抱き寄せるように座る春は、両手で私の手を包み込んだまま、何も言おうとしなかった。

バックミラー越しに何度もこちらの様子を窺っていたムカリが、やがてぽつりと口を開いた。

「今夜はどこで休む? このまま100キロほど走れば、小さな町に出られるけど」

「100キロ? じゃあ今はどの辺りにいるの? 近くに村はないわけ?」

「あるにはあるが、ごくわずかだ。俺たちは今——」

彼の言葉を遮るように、地鳴りのような轟音が私たちの耳を打った...

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