第239章 密猟者の手から人を救う

藤原春

俺は銃を手に、無言のままトヨタの車内へ戻った。

ムカリはエンジンを掛け、車を北へと走らせる。

「まずは西だ。それから北へ向かえ」

俺はそう指示を出した。

「どうしてだい?」

彼は怪訝な顔をする。

先ほど立ち去った密猟者の車と鉢合わせるのだけは御免だ。奴らは正真正銘、命知らずのアウトローなのだから。それに、殺されたあの哀れな象の亡骸をサラの目に触れさせたくなかった。彼女には到底耐えられない光景だろう。

「どうしたの?」

サラの瞳には不安の色が浮かんでいた。

「さっき、何を見たの?」

俺は静かに目を閉じた。瞳の奥で燃えたぎる怒りを、彼女に悟られたくなかった。

「何...

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