第245章 私たちは永遠に彼を失った

上村サラ視点

暗闇に沈む草むらを駆け抜けていた時、突然何かに足を取られた。振り返ると、私を躓かせたのは、うつ伏せに倒れている一人の人間だった。

両手をついてへたり込み、数秒間、頭の中が真っ白になった。草むらに倒れているその人は、昼間に春が市場で買ったものとよく似た、灰白色のローブを羽織っていた。

嘘、目の前にいるのは春の死体なの? その考えが脳裏をよぎった瞬間、全身の血液が凍りつくような感覚に襲われた。

いや、春じゃない。この人は春よりも一回り体格が小さく、身長も少なくとも五インチは低い。

不意に、うつ伏せの体が微かに動いた。私は弾かれたように両手で地面を擦り、後ずさりした。

生...

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