第299章 私を裏切ったのはあなただったのか

藤原春 視点

MSFの車両の内部を目にしたとき、俺は少しばかり驚かされた。

それは密閉された荷台を持つ小型トラックだったが、床には固定用のバックルが取り付けられ、側壁には特殊なフックと小窓が備わっていた。扉と窓を閉め切ってしまえば、外見はただの小型トラックにしか見えない。だが、今のような緊急時には、荷台に移動式ベッドを運び込んで固定し、即席の救急車へと姿を変えることができるのだ。

バーバラが俺を見つめた。

「心の準備はいい?」

俺は尋ねる。

「もう出発できるのか?」

彼女は頷いた。

「ええ。今すぐ、私とあなたで」

傍らの移動式ベッドを軽く叩く。

「今から死にかけの病人にな...

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