チャプター 55

シダー視点

翌朝、私はオリバーをゲームセンターに連れて行った。彼が家に帰る前の最後の時間を、喜びで満たしてあげたかったのだ。

ゲームセンターの中を、オリバーは汗だくになるまで走り回った。片手に綿菓子、もう片方の手にアイスクリームを持ち、見るからに嬉しそうに交互に口に運んでいる。

「お腹を壊すわよ」心配と可笑しさが入り混じった気持ちで彼を見ながら、私は注意した。「どうしていつもお行儀よくできないのかしら?」

「大丈夫だよ、ママ!僕はすっごく強いから、病気になんてならないもん」彼はそう言って、私にアイスを差し出した。「はい、一口どうぞ!」

私は形だけぺろりと舐め、わざと厳しい表情を崩さな...

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