チャプター 74

シダー視点

ミシガン・アベニューにある高級ブティックのきらびやかなドアをくぐると、慣れない高級品と香水の香りに迎えられた。不安と期待が入り混じった気持ちで、胸が高鳴る。レイクフロント・タワーのデザイン展まであと二日しかないというのに、オープニングナイトにふさわしい一着がまだ見つかっていなかったのだ。

こういう場所は普段わたしが買い物に来るような店ではない――この手の高級ブティックは、ずっとわたしにとって異国の領域のように感じられた。でも、新しい給料のおかげで、ようやく少しは贅沢ができるようになった。それに、展示会でスターリング氏の隣に立ってプレゼンをするのなら、それにふさわしい格好をしなけ...

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