第14章

間もなく、白石沙耶の演技が終わった。

しかし、会場は静まり返ったまま。全員が彼女の演技の余韻に浸っていた。

「すばらしい!」

木村智也、南條修司のアシスタントが真っ先に声を上げた。

彼らのボスは演技を真剣に見守っていた。きっと認めたのだろう。

ボスの最も信頼するアシスタントとして、当然ボスの意向を汲まなければならない。

監督もそれを見て、微笑みを浮かべた。

この女優は良い。修司様のアシスタントも認めた以上、修司様もきっと気に入ったはずだ。

彼は南條修司の方を見て、最終判断を待った。

そのとき、撮影現場の助監督が近づいてきた。

助監督は腰を屈め、南條修司の耳元で囁いた。

...

ログインして続きを読む