第15章

「止めないで、言わなきゃならないの!近年いい作品が出ないのは、素人が玄人を指導し、資本が全てを操っているからよ。個人の好き嫌いだけで俳優の運命を決めるなんて、何も分かっていない資本家でしかないわ!」

白石沙耶は怒りを募らせ、ポーカーフェイスはますます苛立ちを覚えていた。

この女は何の勇気があって、こんなに大勢の前で自分の専門性を疑うのか?誰に後押しされているというのか?

南條修司の口元が一瞬震えたが、結局何も言わなかった。

彼は寡黙な男だった。ここに来てから、一言も発していない。

彼はめったに人と言葉を交わさない。

彼にとって、賢者は沈黙を守り、饒舌な者はすべて凡俗の輩なのだ。

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