第18章

森川優子が鍵で玄関を開けると、ソファでアニメを見ていた千夏が音を聞きつけて飛んできた。

「ママ、大丈夫?オーディション、うまくいった?」千夏が甘えた声で尋ねた。

白石沙耶はふわふわの千夏を抱き上げ、「ママは大丈夫よ。オーディションも合格したわ」

「じゃあ、お祝いのごちそう食べに行く?」千夏は唾を飲み込んだ。

白石沙耶は千夏の小さな鼻をつんと押して、「この食いしん坊さん」

書斎で物音を聞いた達也も出てきたが、飛びつくことはなく、ただ静かに白石沙耶を見つめていた。

白石沙耶は歩み寄り、二人を両腕で抱き寄せた。

「達也、どうやってママが閉じ込められた部屋を見つけたの?」

「簡単だよ...

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