第42章

結城綾音はスピーカーフォンにし、南條修司も森川優子の声を聞くことができた。

「結城と申します。昨日お子さん二人を連れて私の心理カウンセリングルームにいらっしゃいましたね」と結城綾音が言った。

「あ、結城先生こんにちは。何かございましたか?」

「お子さん達の様子を伺いたくて。お家に帰ってからの睡眠状態はいかがですか?情緒面はどうでしょうか?」

「ご心配いただきありがとうございます。二人とも元気です。今のところ異常は見られません。先生のサポートが子供たちに大きな影響を与えたようで、あの事件によるトラウマはかなり緩和されたように思います」と森川優子は答えた。

結城綾音は横で聞いている南條...

ログインして続きを読む