第105章 安藤家の家宴(3)

皆が安藤花子にやけに愛想よくしていた。隣に座った次叔父など、自ら酒を注いでくるほどだ。

「花子ちゃん、今日は莉々の誕生日なんだ。ぜひ一杯やってくれ」

 安藤花子は少し意外そうに目を瞬かせた。いつもなら次叔父は彼女になど見向きもしない。それが今日は、わざわざ自分で酌までしてきたのだ。

 花子は眉を上げる。どうにも落ち着かない。

 けれど母がいる以上、今日自分がどこへ行っていたのか、この場の全員が知っているのだろう。

 自分は未来の高橋家の奥様になる身だ。媚びてこないはずがない。

 そう思うと、安藤花子はすっと気位を取り戻した。酒を勧められても口をつけるのはほんのひと口だけ。けれど相...

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