第109章 彼女を酔い潰してくれ

安藤美咲は甘いスープを両手で運び、リビングに入ると彼の前に一杯置いた。自分はそのままラグの上にぺたんと座り、スープをすすりながらテレビに視線を向ける。

画面ではバラエティ番組が流れていて、ちょうど彼女の好きな男性タレントが出ていた。

夜に甘いスープを飲みながら、推しを眺める。――これ、最高じゃない?

高橋裕也はスマホをローテーブルに放り、スープを数口飲んだ。甘さは控えめで、後味がさっぱりしている。悪くない。むしろ好きな味だった。

ふと横目で見ると、あの子はテレビに釘付けで、彼の存在など眼中にない。

……面白くない。

高橋裕也は片手で黒いバスローブの襟元をぐいと引き、結び目をいくつ...

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