第62章 厄介を起こした

安藤美咲は十四郎の姿を見つけると、わざとらしくくんくんと鼻を利かせた。――ふふ、いい匂い。あの嫌な臭いがもうしない。

にこりと笑って言う。

「十四少、奇遇ですね。私、ここで働いてるんです。ポポ、すごくきれいですね!」

金持ちの旦那様のペットだって、結局は動物病院に来るんだ。美咲はポポを小さなケージに入れ、代わりに奥から純血のオスのペルシャ猫を抱えてきた。

「ほら、見てください。うちの子、英国王室の血統が入ってるペルシャなんですよ」

十四郎はちらりと目をやった。毛並みも毛色も文句なしで、悪くない。

「……いいな。さっさと頼む。終わったら、こいつ連れて美容も行くからな」

美咲は内心...

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