第68章 彼の世話をする

安藤美咲の手がぴたりと止まった。運転手がいないなら、彼を送り届けるのは自分しかいない。

 けれど、自分の車は病院に置いたまま。乗って帰ってきていなかった。

 慌てて時間を確かめる。今から配車を呼べば、たぶん間に合う。

 安藤美咲がもう一度スマホを取り出そうとしたとき、佐藤さんがそっと彼女の肩を押した。

 「美咲ちゃん、うちのお酒ってね、私がお漬物に使うやつばっかりで、度数が高いのよ。ねえ、今夜は高橋さんのこと、ちょっと見てあげたらどう? もし何かあったら大変でしょう」

 ソファにもたれていた男は、その言葉を聞いて、わずかに口元を緩めた。

 この家政婦、気が利く。

 明日にでも、...

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