第71章 彼女が自分の手で編んだセーター

昨夜、脱がせたのは彼女だと、彼はたしかに見ていた。なのに彼女は、それを佐藤さんのせいにした。

 男は冷ややかに口元をつり上げ、それから彼女を一瞥した。深い瞳の奥に、かすかな訝しさがよぎる。

 「昨夜、脱がせたのは君だった気がするが」

 そのひと言で、安藤美咲の頬がぱっと赤くなった。

 まずい。

 大きな目をくるりと動かし、彼女は慌てて言い繕う。

 「酔ってたから、見間違えたんです。佐藤さんが脱がせてくれたんですよ。体も拭いてくれましたし。私、女ですから、そういうことをするのはちょっと……」

 嘘をつくのに顔色ひとつ変えないその娘を見つめ、高橋裕也はさらに目を細めた。

 不意に...

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