第80章 俺の彼女になって

高橋裕也の目に、ほんの一瞬だけ翳りがよぎった。

 次の瞬間、大きな手がひょいと伸び、彼女の体をぐいと胸の中へ引き寄せる。弾みで、安藤美咲の唇が彼の唇に触れた。

 安藤美咲はぎょっとして身を起こそうとした。けれど、彼の腕の力が強すぎる。びくともできない。

 しかもその男は、唇を重ねただけでは終わらなかった。口をわずかに開き、彼女の小さな唇を甘く食んでくる。

 高橋裕也はそのまま身を翻し、彼女を下に組み敷いた。逃がす気などないとでも言うように、深く、執拗に口づける。

 最初のうちこそ、安藤美咲は必死に抵抗していた。小さな手で彼を押し返そうとする。けれど、唇を奪われ続けるうち、その手はす...

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