第88章 あまりにも奇妙だ

安藤美咲はその言葉を聞いた途端、胸がざわついた。絵里はもともと体が弱い。少し気を抜くだけで、すぐ熱を出してしまう。

「わかりました。すぐ行きます」

電話を切るなり、彼女は運転席に向かって身を乗り出した。

「中島さん、すみません。小児病院に寄ってください。急いで」

中島はルームミラー越しにボスの顔色をうかがい、指示を待つ。

高橋裕也は、美咲の焦りきった表情を見て短く言った。

「小児病院だ。飛ばせ」

「かしこまりました」

運転手はすぐに進路を変えた。

高橋裕也が横目で彼女を見る。

「どうした。誰が具合悪い?」

三人のうち誰かだろう。前に病院で見た。彼女が絵里を抱えて駆け込ん...

ログインして続きを読む